フリーランスのセラピストで働く場合、給与設定はどうしてますか?と聞かれることがとても多いです。

 

 

同じ職場のセラピストには給与は言わない、というのが鉄則ですが、

 

 

ズバリ言います。

 

 

フリーのセラピストなら給与収入の1.5倍以上が必要です。

 

 

例えば、給与収入(年収)が500万なら750万、600万なら900万、700万なら1,050万です。

 

フリー(個人事業主)の場合は事業収入になりますが、雇用契約と同じ金額設定だと、生活が成り立ちません(実体験)

 

 

他の業界でもフリーランスの場合は、給与収入の1.5倍以上が必要といわれますが、セラピストも同様です!

 

 

契約にもよりますが、フリーのセラピストの場合、クリニックと業務委託契約をします。

 

 

業務委託契約の場合、基本的に、残業代、制服代、社会保険(健康保険・厚生年金・介護保険・雇用・労災)、有給休暇、交通費、福利厚生費(セミナー費用補助)、退職金などはありません。そのため、フリーのセラピストは、自分で保険に入る、自分で退職金を用意する(例:小規模共済など)必要があります。

 

 

なので、独立して、給与収入と同じ設定で契約してしまうと、後が大変になります。フリーランスは給与収入よりも高い金額で仕事を受ける、その基準が、1.5倍以上ということになります。

 

 

また、業務委託は、「休み=収入なし」です。有給休暇という概念がないため、私は、この7年間は特別な理由がない限りは、仕事を休んでいません。

 

 

独立して感じたのは、社会保険、有給休暇のありがたさですね。確定申告もあるかな。厚生年金が国民年金になるため、将来の貯蓄についてもより考えるようになりましたね。

 

フリーのセラピストなら時給3,750円が必要?

給与収入が500万のセラピストが独立する場合、目標とする事業収入を750万に設定します。年間50週として週5日勤務の場合、日給は3万円以上、時給で言うと3,750円以上が必要になります。

 

 

給与収入が600万のセラピストが独立する場合、目標とする事業収入を900万に設定します。年間50週として週5日勤務の場合、日給は3.6万円以上、時給で言うと4,500円以上が必要になります。

 

 

給与収入が700万のセラピストが独立する場合、目標とする事業収入を1050万に設定します。年間50週として週5日勤務の場合、日給は4.2万円以上、時給で言うと5,250円以上が必要になります。

 

 

ここで、整形外科クリニック(運動器I)の理学療法士の売上を考えてみたいと思います。

 

 

1時間あたり2人の患者を担当したとすると、185点×3単位、再診料73×2 、合計は699点になります。

 

 

約7,000円です。

 

7,000円のうち、セラピスト報酬を50%にすると約3,500円、60%にすると約4200円、70%にすると約4900円になります。

 

また、運動器リハビリテーション料以外にも、リハビリテーション総合計画料 300点(3,000円)などがあります。クリニックによっては計画書ごとにインセンティブを設定しているところありますよね。例えば、1ヶ月当たり60名担当していたら、180,000円の売上が追加されます。月180,000円、1日1万円、8時間で割ると、1時間あたり1,250円、先ほどの7,000円に1,250円を足すと8,250円です。50%だと4,125円、70%だと5,775円です。また、自賠責などでは単価が変わります。なので、時給3,750円でいうの契約は可能なんですよね。ちなみに、セラピスト1人当たりの売り上げは「185点、1日20単位 、18日勤務」で 666,000円、そこに計画料 180,000円 を足すと、846,000円となります。

 

 

報酬が何%になるかはセラピストの実力、また、クリニックへの貢献度(売上・集客・教育・マネジメントなど)によって変わるでしょう。

 

 

フリーランスではなく、店舗を持った場合はどうでしょうか? 家賃、光熱費、電話・インターネット代、備品、(人を雇ったら)人件費といった経費がかかってきます。東京は家賃が高いので、1時間あたり7,000円以上の売上が必要になるでしょう。東京では1時間8,800円以上にしないときついかなぁ。。

 

東京の整形外科クリニックは時給2,000円、安い!?

さて、フリーのセラピストに必要な事業収入について述べました。

 

 

給与収入が500万のセラピストが業務委託契約して働くなら時給にすると3,750円が必要です。・・・しかし、残念ながら時給3,750円で募集している整形外科クリニックはありません(年収500〜600万円で募集しているクリニックはあります)。

 

 

時給となると非常勤(パート)の理学療法士ですが、東京の整形外科クリニックは時給2,000円〜に設定にしているところが多いです。

 

 

看護師の場合、日給3万円(時給3,750円)という求人はありますが、理学療法士はありません。なんだかなー。理学療法士の給与を上げるための動きが必要です。

 

 

正直、フリーのセラピストで時給2,000円・・・当たり前ですが、生活面で考えると成り立ちません。

 

 

副業を給与だけで考えるなら、訪問に行く方が多い印象です、というか訪問に行きますよね。PT.OT.STネットで時給3,000円以上で検索すると、該当するのは「訪問看護ステーション」または「訪問リハ」です。

 

 

でも、給与関係なく、整形外科クリニックで働く価値もあります。

 

 

そのクリニックで得るものがある、学ぶものがある、人脈が広がる、などの場合は、時給は関係なく、働く価値があると思います。

 

 フリーのセラピストとしてクリニックと契約

歩合制というのは日本の理学療法士の業界では一般的ではないと思います(給与とは別に自費の売上を歩合として50〜75%にしているところはあります)。

 

 

10年以上前にカナダとオーストラリアの理学療法士が、何パーセントで契約しているの?55%?という話をしていました。カナダ・オーストラリアの全てが、歩合制の契約をしているかはわかりませんが、歩合制の契約をしているんだなぁと思いました。

 

 

歩合制は、他の業界では普通ですが、日本の理学療法士に限っていえば業務委託、歩合給という考えが一般的ではないんだろうな。私はパーソナルトレーナーとして、ジムで働いていたこともあるのですが、当時は70%契約で、1時間6000円として4200円の売り上げでした。ただし、完全歩合制なので、顧客がいない場合は収入ゼロというリスクはあります。

 

 

フリーのセラピストとしてクリニックと契約するなら、完全歩合制(=患者のキャンセルがあれば収入0)なら 70%の設定、賃金を保証する形にするなら日給または日給プラス歩合制で設定する方がいいと思います。

 

 

クリニックとの契約ですが、契約を得る、もっと言うと70%の契約をするためには、 臨床力プラスα(臨床力がある、教育ができる、集客力がある、顧客獲得ができる、マネジメント能力など)の実力と、理解のある経営者との出会い が必要です。

 

 

フリーのセラピスト、安定、休みは減りますが、やる気、収入、自由度は増します。

 

 

自分に合った働き方、見つけてみてください。

 

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