主観的評価(問診)にて情報を収集し、Red flags を除外、疼痛タイプの推測、疾患・病態を想起、過敏性を判断、そして、客観的評価(身体評価)の計画を行います。
主観的評価(問診)を終えた時点で、想起された疾患・病態を立証するために、客観的評価(身体評価)が行われます。
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このフローチャートは頸椎に限らず、腰椎、四肢でも用いることが可能です。客観的評価(身体評価)の内容は、姿勢、自動運動テスト、動作分析、複合運動テスト、疼痛軽減テスト、整形外科テスト、他動生理的運動テスト、他動副運動テスト、軟部組織の評価、運動制御の評価、で構成されています。客観的評価で行う内容は患者・状況によって臨機応変に調整します。全ての検査を行う必要はありません。
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整形外科徒手検査法
整形外科徒手検査法は身体評価の1つで、感度・特異度を考慮し、疾患・病態を特定するためのテスト、除外するために実施されます。神経障害が疑われたら、神経学的テストも併せて実施します。
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感度が高い検査は陽性の者を陽性と正しく判定する可能性が高く、特異度の高い検査は陰性の者を陰性と正しく判定する可能性が高い
(日本理学療法士学会:EBPT用語集)
感度が高い検査は疾患のある人の偽陰性が少ない =陰性と判定されたら真陰性の確率が高いため、疾患を見逃したくない、疾患のない人を除外したい場合に有用である。特異度の高い検査は疾患のない人の偽陽性が少ない =陽性と判定されたら真陽性の確率が高いため、疾患のある人を確定させたい場合に有用である。
(中山・他 2017:PT・OT・STのための診療ガイドライン活用法)
感度の高い検査は陰性結果によって鑑別疾患を除外することができ、特異度の高い検査は陽性結果によって鑑別疾患を含有することができる。
(伏木・加茂 2019:前庭障害に対するリハビリテーション)
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優れた医師は、最も可能性が高い診断以外の可能性を強制的に検討するために鑑別診断を行っています。アンカリング、早期診断閉鎖、確証バイアスといった認知バイアスを軽減させることを目的としています。
医師がいる病院・クリニックにおいては、整形外科徒手検査法の知識・技術は医師との共通言語になります。わからない検査などがあったら、医師に聞く、見学するなどをしたいですね(答えてくれるかどうかは医師によりますが)
どの整形外外科検査法を実施するかは、患者の状態によって異なります。
頸椎に関連する疾患・病態のために整形外科徒手検査法として、
- 片側の神経障害
- 頚髄症
- 胸郭出口症候群
- 椎骨動脈テスト
- 上位頚椎の不安定性テスト
などの整形外科徒手検査法の知識・技術が必要と思います。
書籍によって、紹介している整形外科検査法が違うので、比べてみると面白いです。
Orthopaedic physical assessment 6e(2014)では、頸椎の整形外科テストとして以下を紹介しています。なお、胸郭出口症候群のテストについては肩の章で紹介しています。
- For neurological symptoms:
Brachial plexus tension test, Distraction test, Foraminal compression test, Upper limb neurodynamic test - For myelopathy
Romberg test - For vascular signs
vertebral basilar artery signs - For cervical instability
Anterior shear stress test, Lateral flexion alar ligament stress test, Lateral shear tet, Rotation alar ligament stress test, Transverse ligament stress test
これだけは知っておきたい整形外科身体診察スキル(MEDICAL VIEW, 2021)の頸部・上部体幹の診察では、以下の整形外科検査法が紹介されています。
- 頚髄症のテスト:
finger escape sign、10秒テスト、Spurling テスト、Jackson テスト -
脊髄空洞症ほかのテスト:
腹皮反射 -
延髄脊髄障害のテスト:
scapulohumeral reflex -
胸郭出口症候群のテスト:
Edenテスト、Allenテスト -
下位胸髄病変のテスト:
Beevor's sign
日本で開発された整形外科徒手検査法以外は、Youtube でたくさん動画があるので複数を見比べるだけでも勉強になります。
Spurling's test について詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
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Write test について詳しく知りたい方は、コチラをご覧ください。
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