患者とセラピストの良好な関係(治療同盟)は治療成果の重要な決定要因と考えられています。

治療同盟があるとセラピスト・患者のお互いのリハビリの楽しさも変わります。

そんな治療同盟の構築にはコミュニケーションスキルが不可欠です!

セラピストに必要なコミュニケーションスキルには、態度・姿勢、聞き返し、相槌、ペーシング、要約、雑談力などがあります。

表情・態度

この2年間、マスク着用により自分の表情を見せる機会が減っています。ㅤそのため、”目”ㅤがより重要になっています。ㅤ

アイコンタクト・・・相手の目を見て話す ㅤオーストラリア留学中の話ですが、ある語学学校の先生が「話すときは相手の目を見て話すように、目を離すと何かやましいことを考えていると思われる」ということを言っていました。ㅤ

外国の方は目をジッっと見て話します。ㅤ昔、自分の英語が通じてないのかな?と思って、Do you understand my English?と聞いたこともありましたが、しっかりと聞く姿勢を示してくれてたわけです。ㅤ

患者との距離・位置、どこに座るかというのも大切です。膝が密着するくらい近くなっている場合は要注意です。ㅤ

コミュニケーションに関する患者のクレームの1つに「顔または身体を向けない」というのがあります。

具体的には「パソコン・問診票ばかり見ている」です。

私が普段から実践しているのは、”患者の斜め前に座り、手が触れない距離で、患者の見本になる良い姿勢で、相手の目を見て話す” です。ㅤ

表情・態度、大事なコミュニケーションスキルですね。

聞き返し

「聞き返し」という動機付け面接法のスキルがあります。ㅤ

ㅤ”単純な聞き返し”は相手の言葉とほぼ同じ言葉を用いるㅤ

ㅤ”複雑な聞き返し”は相手の発言の奥にあるものを聞き返そうとするㅤㅤ

痛みが主訴の患者に対して関心・共感・理解・受容を示すために、聞き返しはとても有用です。ㅤ

例)患者「腰が痛い」 セラピスト「腰が痛いんですね」ㅤ

例)患者「痛みの強さは7」セラピスト「7ですか、強い(辛い)痛みがあるんですね。」ㅤ

「腰が痛い」と言われたら、すぐに次の質問をするのではなく、一度、聞き返しをしてから次の質問をする。ㅤ

NRS7と言われて「7ですね」と言って記録するだけでなく、その痛みに理解を示す。ㅤ

ㅤ聞き返し、痛みの評価でも有用です。

相槌

相槌は言語的または非言語的に相手に共感を示すために用いるテクニックです。

患者が話しやすい雰囲気作り、聞いている姿勢を示します。

言語的:んー、そうですね、そうですか、なるほど、

非言語的:うなずぐ(上位頚椎の屈曲)

ちなみに、相槌は日本文化では多用しますが、外国の方と話すときは注意が必要です。

[st-cmemo myclass="st-text-guide st-text-guide-sankou" fontawesome="fa-quote-left" iconcolor="#919191" bgcolor="#fafafa" color="#000000" bordercolor="" borderwidth="" iconsize=""]https://www.rarejob.com/englishlab/column/20170928/[/st-cmemo]

日本人は相槌が多いのが特徴です。日本人に多いということは、セラピストの中でも相槌が多すぎる場合があります。これは相手にとって”うざい”と思われたり、”話を適当に聞いている”と思われることがあるので注意が必要です。

ペーシング

ペーシングとは、相手の話す速度、声の調子、言葉遣いなどを同調させることで、相手に安心感を与えるテクニックです。

相手に応じてペースを変える必要があります。

ゆっくり丁寧に話す患者であれば、ゆっくり丁寧に話すことを心がけます。小学生がタメ口で話かけてくれば、こちらもタメ口で話をします(大人からのタメ口にはタメ口で返さないように)。

どんな話し方をするか・・・敬語ができると対応力は変わります。っすねー、っすかー、は、NGです。

ちなみに、ペーシングは恋愛の心理学でも紹介されています。興味ある方は調べてみてください。

要約

要約は話の内容を整理、聞き逃しを防ぐために用います。

また、同じ話を何度も繰り返す患者に対しても、要約することでループを止めることができます。

病態が難しい患者、心理社会的要因が疑われる患者、話が止まらない患者などにより効果的です。

雑談力

雑談力は患者の信頼関係を築くために重要です。

雑談力は学力よりも人間力が求められるのではないでしょうか。人生の経験値が必要だと思います。

患者にネガティブな感情を抱いている時、疾患だけの話になりがちです。そんな時こそ雑談をしましょう。

雑談が苦手という方は、天気・気候・季節の話をしてみてはどうでしょうか。

「今日は天気がいいですね」「今日は少し肌寒いですね」「今日はあいにくの雨ですね」

天気・気候・季節に関するやり取りは何パターンもあり、かつ患者も「そうですね」と答えやすいです。”肯定”から始まるリハビリはいい流れを作ります。

痛みの訴えが多い患者が自ら雑談をしてきた時は、痛み行動に変化が現れていることを示しています。

もちろん、雑談が嫌いな患者さんもいます。一度話をしてみて、雑談の程度を調整するのが望ましいですね。

コミュニケーションはスキル!

コミュニケーションはセンスもありますが、スキルの側面もあるため、ある程度は上達します。

治療同盟に必要なコミュニケーションスキルとして、表情・態度、聞き返し、相槌、ペーシング、要約、雑談力についてまとめました。

コミュニケーションスキルが上がれば臨床も楽しくなります。自分の武器を増やしましょう!

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