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下肢の Myotome test

問診にて神経障害を疑う場合、客観的評価にて神経学的テストを行います。

  

神経学的テストには、Myotome test、感覚テスト、そして、深部腱反射(DTRs: Deep tendon reflexs)の3つがあります。

   

Myotome test (筋節の検査)とは、個々の筋肉ではなく、関節の動きに特化した検査です(疑わしい所見があった場合には個々の筋肉の検査で詳しく調べることができます)。検査者によって加えられた抵抗に対して、テストポジションを等尺性で保持することが求められます(ブレイクテスト)(参考書籍 Fruth SJ)。

 

Myotome(筋節)とは

A myotome is defined as a group of muscles supplied by a single nerve root(1つの神経根から神経支配される筋群)(参考書籍 Fruth SJ)

神経筋単位(同一の体節から生じ同一の脊髄神経によって支配されるすべての筋肉)(ステッドマン医学大辞典)

  

多くの筋は1つ以上の神経根から供給されているため、1つの神経根が障害されても麻痺になることはなく筋力の低下が起こります。一方、脊髄神経から分枝した末梢神経の障害は筋の麻痺が起こます。

    

Myotome test の方法

神経根に応じた筋力を等尺性収縮にてテスト肢位を保持できるか評価します。

 

下肢のMyotome test は、L2ーS2まで神経根に応じた筋力のテスト方法がありますが、すべてを1つずつ評価するわけではありません。疑われる神経根レベルの前後を評価します。

 

例えば、下腿後面の痺れの訴えがあり、感覚検査ではL5領域の触覚・痛覚の低下があったら、L4、L5、S1の筋力を評価します。また、「つま先が上がりづらい」という訴えがあり、歩行分析にて足底接地になっている(つま先が上がっていない)ようであれば、L4、L5を疑い、L3の膝伸展から評価することもあります。

 

スクリーニングには、歩行分析、つま先歩き・踵歩きが用いられます。

腰椎椎間板ヘルニアで明らかな下肢の筋力低下が起きている場合、L4(前脛骨筋)であれば、歩行時につま先が落ちます。S1(腓骨筋群・下腿三頭筋)であれば、蹴り出しの低下が観察されます。

つま先歩き、踵歩きをするとより顕著です。徒手抵抗に対して左右差がなくなっても、荷重下では左右差が残存することが多いため、最終的な効果判定にも用いることが可能です。

  

抵抗は最低5秒加えます。
多くの筋は複数の神経根から供給されており1つの神経根に異常があっても疲労するのに時間がかかるためです(参考書籍Fruth SJ / Magge DJより)。筋力低下が疑われたらグレード評価を行います。

  

座位または背臥位にて、片側ずつ、または、両側同時に評価します。

股関節・膝関節の場合、は下肢の重さや腰の負担を考慮すると片側ずつ評価するべきとされています(参考書籍 MAgge DJ より)。私は、背臥位にて評価することが多いです。L4、L5、S1は基本的に両側同時に評価しています。

  

加える抵抗量は筋によって調整します。

L5 母趾伸展 に対する抵抗は、L4 足背屈、L5 外返し・底屈 よりも弱くする必要があります。

 

口頭指示は対象者に合わせて調整します。

「今から抵抗を加えます。動かないようにしてください。(3、2、1、はい・・・)」

「今から○○の方向に押すので、動かないようにしてください。(せーの・・)」

「Hold this position, Don't let me move you」

「Hold as strong as you can 」

「Push against me」

 

支配神経と検査動作

L2 股屈曲

肢位:背臥位または座位にて股関節屈曲位、膝関節は屈曲90°

抵抗位置:大腿遠位部

L3 膝伸展

肢位:背臥位または座位にて膝関節軽度屈曲位

抵抗位置:下腿遠位部

背臥位ではセラピストの前腕または大腿に患者の大腿を乗せる。

L4 足背屈

肢位:背臥位または座位にて足関節中間位

抵抗位置:足背

L5 母趾伸展

肢位:背臥位または座位にて足関節は力が抜けた底屈位

抵抗位置:母趾

S1 外返し・底屈

肢位:背臥位または座位にて膝屈曲位

抵抗位置:下腿遠位部

S2 膝屈曲

肢位:腹臥位または座位

抵抗位置:下腿遠位部

 

You tube で筋節テストを確認

背臥位の方法を紹介しています。L2は股関節屈曲、L3は膝伸展(膝屈曲位で評価)、L4は足背屈(両側同時)、L5は母趾伸展、S1は立位にて足背屈、S2は背臥位にて膝屈曲です。

 

背臥位の方法を紹介しています。L2は股関節屈曲、L3は膝伸展(膝軽度屈曲位で抵抗)、L4は足背屈&回内(片側)、L5は母趾伸展(片側、足背屈位)・足底屈・股伸展、S1は背臥位にて足底屈、S2は腹臥位にて膝屈曲です。

   

座位の方法を紹介しています。L2は股関節屈曲、L3は膝伸展(膝軽度屈曲位で評価)、L4は足背屈(片側)、L5は母趾伸展(片側・足背屈位)、S1は立位にて足底屈です。

     

座位の方法を紹介しています。L2は股関節屈曲、L3は膝伸展(膝屈曲位で評価)、L4は足背屈(片側)、L5は母趾伸展(片側・足底屈位)、S1は足底屈(中間位)、S2は膝屈曲です。この動画は英語がゆっくりでリスニングにも最適です。抵抗をかけるときに「Push against me!」というのはよく使われますね。

 

下肢のMyotom test のまとめ

神経学的テストには、Myotome test、感覚テスト、そして、深部腱反射(DTRs: Deep tendon reflexs)があります。

   

Myotome test も深部腱反射と同じくさまざまな方法がありました。 

   

Myotome testだけで疾患を判断するのではなく、 他の神経学的所見(感覚、深部腱反射)や画像所見などを組み合わせて障害部位や疾患を推定することが大事です。

  

  

深部腱反射 deep tendon refex について知りたい方は、コチラをご覧ください。

下肢の深部腱反射 Deep tendon reflexes

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参考書籍

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