SMTC3 頸部痛の評価と治療 配布資料

頸部痛の客観的評価(身体評価)の流れをわかりやすいようにフローチャートにしています。

 

このフローチャートの流れは、状況によって変わります。頸部の評価に慣れていない場合は、フローチャートに沿って評価するといいでしょう。

 

客観的評価は上肢症状がない場合は 10〜15分で終わることを目標とします。

 

上肢症状がある場合は、鑑別テストで神経学的テストなどが含まれるため15〜20分で終わることを目標とします。

 

頸部痛の客観的評価

[st-step step_no="1"]姿勢評価[/st-step]

立位ではケンダルの姿勢分類、座位ではSlumped sitting、Forward head posture(頭部前方位姿勢)、Cranio vertebral angle などを評価します。

 

頸部痛の場合、頭部の傾斜(前面・側面)や頸部のシワも重要な情報になります。

 

例えば、耳と目を結ぶ線が斜めになっており、頸部にシワができている場合、常に上位頚椎伸展位になっている可能性があります。その場合、上位頚椎の屈曲可動域制限、頚椎深層屈筋群の低下、関節位置覚の異常などをこの後に評価する必要があります。

[st-step step_no="2"]動作分析[/st-step]

スポーツ動作に伴う頸部痛、また、ある一定の肢位および動作に伴う頸部痛(例:自転車、運転、仕事の動作など)がある場合に、動作分析が必要になります。

  

上肢の動きを伴う動作で頸部痛が誘発される場合は、肩関節との鑑別、頸部と肩甲帯の協調性の評価がこの後に必要になってきます。

  

疼痛の重症度・過敏性が高い場合は、動作分析はせずに自動運動テストを行なった方が安全でしょう。

 

[st-step step_no="3"]自動運動テスト[/st-step]

自動運動テストは6つの動作を評価します。

 

屈曲・伸展・側屈・回旋・後退(上位頚椎の屈曲)・前進(上位頚椎の伸展)です。

 

頚椎の自動運動テストは頚椎だけでなく、必ず胸椎の自動運動をセットで評価します。

頚椎の自動運動テストについて知りたい方は、こちらをご覧ください。

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[st-step step_no="4"]疼痛軽減テスト[/st-step]

自動運動テストで疼痛誘発される場合、すぐに疼痛軽減テストを行います。

 

疼痛軽減テストは、関節に滑りの力を加える、姿勢・動作の修正、筋の促通などがあります。

 

例えば、頚椎右側屈で左頸部痛が誘発される場合、疼痛の質を確認します。「引っ張られる」という表現で、かつ、触診すると筋の過緊張が確認されたなら、左肩甲骨の位置を修正し疼痛が消失するか評価します。

[st-step step_no="5"]複合運動テスト[/st-step]

必要に応じて複合運動テストを行います。カップルドムーブメント(カップリングモーション)を考慮し、問題となっているのが左右のどこか、問題となっている副運動を推測します。

 

疼痛の重症度・過敏性が高い場合には、複合運動テストは実施しないほうがいいでしょう。

 

[st-step step_no="6"]上肢の評価・鑑別テスト[/st-step]

肩関節疾患、また、その他の疾患とを鑑別するために、上肢のスクリーニング、そして、状態に応じた鑑別テストを行います。

頸部痛に上肢症状を伴っている場合、神経根障害の整形外科テスト、神経学的テストなどを行います。

 

神経根症害の整形外科テスト「スパーリングテスト」を知りたい方は、こちらをご覧ください。

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[st-step step_no="7"]他動生理的運動テスト[/st-step]

分節の評価として他動生理的運動テストを行います。下方滑り、上方滑り、第一肋骨の可動性を評価します。

 

第一肋骨の評価では、神経を圧迫しないように注意を払いながら行います。

 

[st-step step_no="7"]他動副運動テスト[/st-step]

疼痛誘発部位が関節かどうかを判断するために、他動副運動テストを行います。PAを行いますが、軟部組織なのか、関節なのかを判断する必要があります。

[st-step step_no="8"]運動制御の評価[/st-step]

頚椎深層筋群と表層筋群をまず評価します。また、頸部と肩甲帯の協調性についても評価していきます。

 

必要に応じて、スタビライザーを用いた評価を行います。

 

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