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腰痛のレッドフラッグス:悪性腫瘍

Red flags とは、重篤な疾患の可能性を示す兆候、リスクファクターです。

 

腰痛における悪性腫瘍のRed flags はというと、

  • 癌の既往歴
  • 50歳以上
  • 保存療法の効果がない
  • 説明のつかない体重減少
  • 多部位の疼痛、安静時痛、夜間痛
  • 時間や活動性に関係のない疼痛(日本)

といったものがあります。

 

書籍 Red flags 1e (2006)では、「癌の既往歴、50歳以上、保存療法の効果がない、説明のつかない体重減少は、Sensitivity 1.00 Specificity 0.60」と紹介されています。

 

Premkumar(2018)は「"癌の既往歴"と"説明のつかない体重減少"の2つがある場合、脊椎・脊髄腫瘍の可能性が14.3%になる」と報告しています。

 

各国のガイドラインには悪性腫瘍については記載がありますが、どのタイプの悪性腫瘍があってどういった症状が出現するのかという細かい記載はありません。

 

悪性腫瘍の種類もさまざまですので、ここに挙げた悪性腫瘍の一般的な Red flags を覚える必要があります。

    

さて、「悪性腫瘍の Red flag けっこう集まるんじゃないか?」と疑問に思われるかもしれません。

 

まず「年齢」ですが、この年齢を考慮すると、多くの患者が Red flag が1つあることになります。

 

次に「癌の既往歴」ですが、何年前までの癌をRed flags にするのかわかりませんが、癌を既往歴にする方は多いです。Red flag 2つめです。

 

また、「保存療法の効果がない」ですが、セラピストによって差がでる可能性があり、適切なマネジメントが行われていない場合は効果がでません。1ヶ月くらいしたら、Red flagが 3つになってしまいます。

 

この段階で、医師の受診を勧めるのか?というと、その前に自分自身のマネジメントが適切に行われているか再確認する必要があります。

 

癌のRed flags の中で注意が必要なのが、説明のつかない体重減少 だと思います。

 

なぜなら、患者自身が体重を把握していない場合もあれば、セラピスト自身が確認していない場合があるからです。

  

今は減っていなくても、今後減っていく可能性があり、介入の効果がない場合、体重が減っているのかどうか確認する必要があります。

 

そのためにも、腰痛患者を担当したら、初回時の体重を確認することが大事です。

 

私は初回評価用紙に「身長」「体重」という項目を設ています

 

クリニック・治療院によっては、問診票に記載している場合があります。自分で書いてもらう方が聞くよりも楽ですよね。受付で書いた問診票をセラピストが見れる体制になっているか、情報共有できるようになっているのか、というのは医療機関によっては課題になると思います。

  

体重はとても重要な情報の1つだと思います。

 

定期的な体重の計測、体重の把握というのは自己管理ができているのかという簡単な指標になります。

 

BMI25以上で整形外科疾患がある場合は、肥満症の可能性があります。

 

高齢者の体重減少はフレイルの指標の1つになっています(体重減少(6か月で2~3kg以上)。

 

今後、体重減少していくようであればRed flag になります。

  

というように、体重は重要な情報の1つです。

説明のつかない体重減少?

体重減少ということですが、どのくらいの期間で何キロ減ったら気にする必要があるのでしょうか。

 

ズバリ、5%です!

 

「3〜6ヶ月の間に体重減少が 5% でred fragが1つ、5-10%でred flagが2つ、10%でred flagが3つ(Red flags 1 2006)」

  

「特に食事制限や過度の運動をしているわけではないのに「6か月で5%以上」の体重減少を認める場合を病的な体重減少とすることが多いです(健康長寿ネット(美外部リンク)*2021/2/11 閲覧)」

 

「あなたがダイエットをしないで6ヶ月から12ヶ月の間に通常の体重の5%以上を失った場合、あなたの医師は原因を見つけることを望むでしょう。通常の体重の5%を失うことは、大したことではないように思えるかもしれません。しかし、このペースで体重が減り続けると、深刻な問題になる可能性があります。(CANCER RESEARCH UK(外部リンク) *2021/2/11 閲覧)」

 

5%の体重減少というのがわかりやすい。

 

説明のつかない 5%の体重減少が、6ヶ月間だと注意、3ヶ月だと要注意、1ヶ月だと危険、でしょうか。

 

  

癌の既往歴がある患者から学ぶことは多い

臨床では、癌を疑う患者より、癌が既往歴にある患者を担当することがとても多いです。 

 

癌をどうやって発見できたのか、話を伺うと症状は千差万別で発見方法もさまざまです。

 

「会社の検診で」「市区町村の検診で」「胸のしこりに気づいて」「さまざまな科を受診したけどわからなくて」などですね。

  

そういえば・・・「体重が減少してから病院にかかって癌が判明した」という方にはまだ出会ったことがないです。

 

癌の既往歴、また、治療中の患者から、癌がわかるまでの話を伺うことは、今後の臨床での注意喚起につながると思います。

 

ただし、Sensitive な内容ですので、話を聞くときは慎重に、謙虚に、ですね。

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