
セラピストは患者の評価にさまざまな検査を用います。
検査をする上で大事な指標に、感度・特異度というものがあります。
感度・特異度を考える前に、
まず、有用な診断・検査について康長(2017)は、
- 正確度(accuracy)・精度(precision)が高い
- 実施可能性が高い
- 臨床判断に役立つ
と述べています。
実施可能性は、「診断・検査の侵襲や費用に関わり、より真実にせまる正確度の高い検査ほど、より危険でより費用がかかる」とのことです。
検査の正確度とは
「検査結果がどの程度、正確な情報を与えてくれるか」ということで、指標には感度、特異度が用いられます。
検査の精度または再現性(reproductivity)とは
「誰がやっても同じ人が何度繰り返しても同じ結果かどうか」ということで、指標にはカッパ係数、級内相関係数が用いられます。
感度・特異度とは

感度とは、「疾患のある人のうち検査で陽性と正しく判定される割合」で、a / (a+c)になります。
特異度とは、「疾患のない人のうち検査で陰性と正しく判定される割合」で、d / (b+d) になります。
細かい説明はわかりやすい別のサイト・他書に譲りますが、、
感度・特異度について覚えておきたいこと
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感度は、疾患を見逃したくない人、疾患のない人を除外したい場合に有用!(除外診断に有用)
特異度の高い検査は、疾患のある人を確定させたい場合に有用!(確定診断に有用)
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です!
感度・特異度の解釈の注意点として、
感度・特異度が高い検査だとしても、発生がまれな疾患の場合は陽性的中率が下がるので、検査結果が陽性だとしても追加の検査が必要
とのことです。
また、感度・特異度は研究によって異なることがあります。
書籍や資料などを読んでいて、「あれ?こんな感度(特異度)だったけ?」と思ったら、引用文献は何か確認する方がいいでしょう。
例えば、腰椎椎間板ヘルニアの診断に有用な Straight Leg Raise( SLR)の場合、
感度85%/特異度52% ((Vroomen PC ら, 1999)の文献を引用、腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 改訂第2版 2012)
感度91%/特異度26%(Devile, 2000)
というように、研究によって数値が異なります。
この検査は感度・特異度が高くないから複数のテストをしましょう、というのはよく言われます。
整形外科テストの感度・特異度の正確な数字を覚えるのは大変ですが、だいたいの数値や高い・低いといったことを考えながら検査をしたいですね。