機能的に頸椎は上位頸椎(C0-2)、下位頸椎(C2-7)、上位胸椎(T1-4)の3部位に分けられ、3部位が課題に応じて独立また協調して動きます。

上位頚椎に関連する疾患・病態として、「外傷性頚部症候群」と「Cervicogenic headache」があります。

外傷性頚部症候群は、何らかの外力が頚椎に加わり、頸部痛などの症状が起きた状態です。臨床症状として、頸部痛、筋スパズム、めまい、頭痛、上肢の感覚異常などが起こります。受傷時に上位頚椎周囲の靭帯の損傷が起こることがあるため、臨床症状に応じて不安定性テストの評価を行う必要があります。

外傷性頚部症候群は、ケベック分類に基づいた治療方針の決定、VASとNDIによる予後予測などを行い、個々の機能障害因子に応じた介入方法を実践することで、治療効果を高めることが期待できます。

しかし、外傷性頚部症候群の場合、慢性化になることが多く、原因として本邦の賠償保険システム、患者・医療者側の問題が指摘されています。適切なタイミングでの「症状固定と後遺障害診断」については課題といえると思います。

Cervicogenic headache(頚原性頭痛)は、上位頚神経(C1-3)が支配する構造からの求心性の侵害刺激と三叉神経が三叉神経脊髄路核に収束することにより、片側の後頭部痛や三叉神経領域の前頭部痛や眼窩痛を引き起こします。頚部に関連した頭痛の場合、上位頚椎の評価が必要になります。

臨床でよく遭遇する頭部前方位姿勢は、上位頚椎が伸展位・下位頸椎が屈曲位となっており、後頭下筋群の過緊張・上位頚椎の屈曲制限・頚部深層屈筋群の低下・上位頚椎優位の伸展動作などにより、Cervicogenic headache(頚原性頭痛)を誘発することがあります。
 
本コースでは、頚部痛の分類、上位頚椎の関節機能の評価、外傷性頚部症候群・頚原性頭痛に対する介入方法、について学習します。

頚椎は上肢・下肢に比べ苦手意識を持たれるセラピストが多いですが、適切な評価方法および技術技術を習得することで、自信を持って頚部痛患者を担当することができます。

脊椎徒手療法コースは、臨床で本当に必要な知識・技術に焦点をあてながら、よりシンプルにわかりやすく伝えることを大切にしています。

すべての受講者に適切な技術をフィードバックできるように、少人数にて開催しています。

実技を習いたい方、実際の評価・治療の流れを知りたい方、フィードバックを受けたい方はぜひご参加ください。

講義内容

講義1:頚部痛の分類

  • 外傷に伴う強い頚部痛(外傷性頚部症候群)
  • 頚原性頭痛

講義2:上位頚椎の機能解剖

  • 上位頚椎の靭帯・椎間板・神経根・椎骨動脈・内頸動脈
  • 上位胸椎の関節包内運動
  • カップルドムーブメント

講義3:上位頚椎の身体評価(客観的評価)

  • 姿勢評価:Forward head posture, Craniovertebral angle etc.
  • 動作分析
  • 自動運動テスト
  • 疼痛軽減テスト
  • 複合運動テスト
  • 鑑別テスト:上位頚椎の靭帯の不安定性テスト、Flexion Rotation test など
  • 他動生理的運動テスト:Hypomobility VS Hypermobility
  • 軟部組織の評価
  • 他動副運動テスト(疼痛誘発テスト)
  • 運動制御の評価

講義4:外傷に伴う頚部痛・頚原性頭痛のマネジメント

  • 後頭下筋群リリース
  • 関節モビライゼーション:上位頚椎
  • 関節モビライゼーション+自動運動
  • セルフエクササイズ:頚椎深層筋群エクササイズ、頭部位置の修正方法

受講要項

受講資格理学療法士・作業療法士・鍼灸師・柔道整復師
受講料¥16,500(税込)
開催日時日曜日 9:00 - 17:30
定員10名
講義形式対面
開催場所西東京かとう整形外科(外部リンク)
申込方法「コース開催日」を確認の上、「受付中」をクリック、申込フォームに必要事項を記入し送信して下さい。
受講修了条件コース受講後、修了テスト(オンライン)に合格することで修了となります。
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