長時間のデスクワークやスマートフォン操作によって、多くの人が知らず知らずのうちにForward Head Posture(FHP:頭部前方位姿勢)やストレートネックといった不良姿勢を抱えています。
これらは単なる姿勢の問題にとどまらず、頸椎の力学的ストレスを増大させ、頸部痛や肩こり、さらには頭痛、集中力低下、バランス機能の低下など、日常生活・職業生活に多面的な影響を及ぼします。
頸椎は脊椎の中でも、可動性と安定性が同時に求められる部位です。
視覚・聴覚情報を得るための頭部の細かな動き、重い頭部を常に支える役割、そして上肢・体幹の運動と協調して動く性質など、複雑な要求の中で機能しています。
この複雑なシステムを支えるのが、深層筋(ローカルマッスル)と表層筋(グローバルマッスル)の協調、および頸部・前庭・視覚系の相互連携による感覚運動制御(sensorimotor control)です。
頸部痛患者では、このシステムにしばしば破綻が生じます。
頸部筋の運動制御障害においては、頸部深層屈筋・伸筋の活動低下、表層筋(胸鎖乳突筋、僧帽筋上部など)の代償的過活動、 肩甲帯アライメントの乱れ(外転・内旋・下方回旋)が臨床では多く観察され、痛みの持続や再発の原因にもなります。
頸部痛のマネジメントにおいては 「可動域を改善する」だけでは不十分 であり、運動パターン、筋活動、姿勢制御、協調性、感覚機能といった多面的な要因を評価し、段階的に改善していくアプローチが求められます。
可動域や筋緊張へのアプローチで一時的に症状が改善しても、「深層筋の機能不全」 や「不良運動パターン」が残っていれば、症状は戻りやすくなります。そのため、痛みの消失をゴールにするのではなく、再発を予防するための運動制御の改善が不可欠です。
本セミナーでは、こうした視点から 頸部深層筋の機能不全に焦点を当て、評価から治療、そしてエクササイズ指導までを体系的に学ぶことを目的としています。臨床現場で即活用できる実践的な評価法と、段階的エクササイズの考え方を中心に、再発予防まで見据えた頸部痛アプローチを提供します。
講義内容
- 頸部筋の活動不全や不良運動パターンの特徴
- Forward Head Postureやストレートネックと頸部痛の関連性
- 頸部深層・表層筋の筋活動バランスの評価
- 段階的な頸部エクササイズの実践:初級・中級
- 姿勢修正・肩甲帯・体幹の運動も含めた包括的アプローチ
- ホームエクササイズ指導の工夫と継続支援
受講要項:中級コース Intermediated Courses
受講資格:理学療法士・作業療法士
受講料 :5,000円
開催日時:土曜日 15:00 - 17:30 または 日曜日
定 員 :8名
会 場 :西東京かとう整形外科(外部リンク)
