課題や作業環境に応じて、目的とする姿勢や動作を効率よく行うためには、身体を必要な方向へ適切に動かすこと、そして動作時に身体の中心となる体幹が安定していることが重要です。
体幹が安定することで上肢・下肢の運動が安定するのと同様に、頸椎が安定して可動するためにも体幹の安定性は不可欠です。
例えば、頸椎伸展時に体幹が前方へ動揺し痛みが誘発される場合でも、体幹を徒手的に固定すると痛みが消失することがあります。このようなケースでは、介入の第一選択は「体幹の安定性」になります。
臨床経験を積むことで体幹の安定性は動作分析からある程度評価できますが、特定の方向に対する体幹の安定性を個別に評価することで、問題点をより明確に整理することが可能になります。
本研修会では、腹腔内圧テスト、背臥位で行う ASLR、側臥位で行う Hip Abduction Test、腹臥位で行う Hip Extension Test、四つ這いで行う Rock Back / Rock Forward の5つの評価を、まず確実に行えるようになることを目指します。
体幹の安定化には、ドローイン、ブレーシング、IAP などのアプローチがあり、それぞれの特徴を理解したうえで、対象者の身体機能や課題に応じて使い分けることが重要です。また、求められる体幹の安定性は姿勢や動作によって異なるため、姿勢・動作特性を考慮した介入が必要となります。
体幹安定性のための段階的エクササイズのポイントは、「量より質」「腰椎中間位」「難易度の進行」が大切です。
体幹の運動制御評価の結果から、患者・クライアントに合わせてエクササイズ姿勢を決定し、動作パターン、外乱付加を調整していきます。各肢位では必要となる関節運動や筋活動が異なるため、一人ひとりに合わせた工夫が求められます。
本研修会では、体幹安定性をどのように評価し、どのように段階別の体幹エクササイズを指導していくかについて、実技を交えながら解説します。
講義内容
- 体幹の安定性:姿勢・アライメント、呼吸、腹腔内圧
- 体幹の運動制御評価:腹腔内圧テスト・ASLR・HAT・HET・
- 体幹エクササイズ(矢状面の安定性):背臥位・四つばい Rock back/forward/Bear
