頸椎は、頭部を支えながら高い可動性を有し、同時に脊髄・神経根・腕神経叢・椎骨動脈といった重要な神経・血管構造を内包する、きわめて繊細な領域です。

上位頸椎から下位頸椎、さらに胸郭出口にかけて連続する神経系は、頸部痛のみならず、上肢症状や頭痛、自律神経症状にも深く関与しています。

そのため、頸椎に関連する神経障害および頸原性頭痛を評価・治療する際には、神経・血管走行や上位頸椎の機能解剖を十分に理解したうえで、触診や頭部操作を慎重に行う必要があります。

頸椎に関連する神経障害を伴う疾患には、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性神経根症、頸椎症性脊髄症(頸髄症)があり、比較的稀な疾患として頸椎症性筋萎縮症や頸椎後縦靱帯骨化症などが挙げられます。また、上肢症状が主訴となる場合には、胸郭出口症候群や末梢神経障害も鑑別に含める必要があります

これらを適切に判断したうえで、疾患・病態に応じたマネジメントの実施が求められます。

しかし、実際の臨床では、診断名が必ずしも病態を正確に反映しておらず、同じ診断名であっても症状・徴候、重症度、治療反応性は患者ごとに大きく異なるため、理学療法士による詳細な主観的評価と精密な身体評価を行い、個々の患者に応じた介入方針を構築することが不可欠です。

「頸部痛+上肢症状」に対して、神経障害性疼痛の病態メカニズムを理解したうえで、整形外科徒手検査法・神経学的検査・神経ダイナミックテストを組み合わせ、圧迫性神経障害なのか、末梢神経感作なのかを臨床的に判別するプロセスを明確にし、病態に応じた関節モビライゼーション、神経モビライゼーションの実践までを扱います。

頸原性頭痛は、上位頸椎の関節・筋・靱帯などの侵害刺激が神経系を介して頭部症状として表出する病態であり、頸部痛や上肢症状と同様に「頸椎由来の神経学的問題」として捉える必要があります。

臨床では、片側性頭痛、後頭部〜側頭部痛、頸部運動による誘発などを呈することが多く、頸椎機能障害との関連を見逃さない評価視点が求められます。

「頸部痛+頭痛」に対して、頭痛の病態メカニズムを理解したうえで、関節評価、軟部組織評価、運動制御評価を用いて、上位頸椎機能障害が頭痛症状に関与しているのかを判断し、病態に応じた関節モビライゼーションを実施します。

実践コースでは、前半に「神経障害を伴う頸部痛」、後半に「頸原性頭痛」をテーマに、評価から治療までを体系的に学びます。

 「頸部痛+上肢症状」「頸部痛+頭痛」といった複合的な症状を呈する患者に対し、リスク管理を徹底しながら、より高度で実践的な評価・治療が行えることを目指します。

講義内容

講義1:神経障害を伴う頸部痛
講義2:頸部痛の身体評価:神経学的検査・神経ダイナミックテスト
講義3:神経障害を伴う頸部痛の治療:圧迫性神経障害・末梢神経感作
講義4:頸原性頭痛
講義5:頸原性頭痛の身体評価:上位頸椎 
講義6:頸原性頭痛を伴う頸部痛の治療

受講要項

受講資格:理学療法士・作業療法士・柔道整復師・鍼灸師
受講料 :20,000円
開催日時:土曜日 15:00 - 18:00 / 日曜日 9:00 - 16:30
定 員 :8名 
会 場 :西東京かとう整形外科(外部リンク)