
最近、開業する理学療法士、開業PTが増えてきました。
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僕も今から10年前の31歳の時に個人事業主になりました。
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ただし、お店を構えるわけではなく、約10年間、フリーランスの理学療法士としてクリニックと契約して働いてきました。
複数のクリニックで働きたい、脊椎徒手療法研究所という個人の仕事もしたい、自由に働きたい、という考えがあり、フリーランスの理学療法士という働き方を選びました。
そして、41歳になり大きな転機がありました。
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それは、何かと言うと、
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整形外科クリニックと雇用契約、つまり、会社員として働くことにしました。
フリーランスの理学療法士として10年間働いてみて、良いこともあれば大変なこともありました。
これまでの10年間を振り返ってみたいと思います。
時間を売る仕事の限界
職種、働き方にもよりますが、フリーランスの個人事業主の多くは働いた分だけ稼ぐことはできるけど、休んだら収入が減ります。
クリニックで働く理学療法士の場合、働いた分だけ稼ぐことが・・・できません。
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理学療法士は、1日24単位、1週間108単位までしか働けないからです。
理学療法士の業務は基本的に、時間を売る仕事です。
僕は、基本の日給プラス単位に応じた歩合制にしていました。
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収入を上げるためには単位数を増やす必要がありましたが、整形外科クリニックで働いている以上、診療時間があり、限界がありました。
夏季休暇や冬季休暇があると強制的に働けなくなるので8月・12月は収入が落ちました。
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「時間を売る」以外の方法も考えていました。自費でのインソール作成、また、講習会の開催です。
しかし、臨床ではさまざまな疾患を担当している、後輩にも経験を積ませるため自分だけインソールを担当しないと決めていたため、インソールでの売り上げは思ったほどありませんでした。
講習会も準備に費やす時間が非常に長く、また、技術を伝えるセミナーだったのでオフライン(対面)形式になり、時間を売る仕事でした。準備のために家族と過ごす時間を犠牲にしていました。
そして、次第に、仕事を休めなくなっていきました。子供の行事もそうですが、父が亡くなった時も仕事を休みませんでした。休むことはできたんですけど、収入がなくなることへの不安がありました。もし、会社員で慶弔休暇、有給休暇があれば1週間はしっかり休んでいたと思います。
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また、休みがないので、新しいことにチャレンジできなくなり、長期のワークショップへの参加も考えなくなりました。
「時間を売る」仕事がメインである以上、収入を上げるためには単価を上げる、わかりやすく言うとギャラを上げる必要がありました。芸人さんがギャラの話をしているのを見ると、親近感がありましたね。。
以前、フリーランスのセラピストなら、時給はどのくらい必要かというブログを書きました。必要な賃金の最低条件は、日給は3万円以上、時給で言うと3,750円以上です。
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他の自営業、フリーランスを調べてもらうとすぐにわかりますが、日給3万円というのは最低ラインなんですよね。ただし、ここでいうフリーランスのセラピストとは、事業所得としてフリーでの仕事をメインとしていて、かつ、エキスパートの理学療法士です。整形外科クリニックで何でも対応できるレベルです。プロフェッショナルなので心構えが違います。給与所得を得ていて、隙間時間に副業として働く場合と全然違います。
フリーランスのセラピストなら給与収入の1.5倍が必要!?
フリーランスのセラピストで働く場合、給与設定はどうしてますか?と聞かれることがとても多いです。 同じ職場のセラピストには給与は言わない、というのが鉄則ですが、 ズバリ言います。 個人事業主でフリーランスのセラ […]
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フリーランスで働くためには、この条件で契約できる整形外科クリニックを探す、フリーランスに理解(知識)のある医師と出会う必要があります。
ただし、これが非常に難しいです。
フリーランスのセラピストが少ないので相場がよくわかっていない(なので、ブログに書きました)、理解(知識)のある医師が少ないです。
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僕は、たまたま西東京かとう整形外科クリニックの加藤先生が理解ある方だったので、フリーランスとして働くことができたと思います。
整形外科クリニックで働く理学療法士が知っておきたいこと
フリーランスの理学療法士から会社員になったわけですが、実は、そのきっかけは3人目の子供の誕生にあります。
40歳になり3人目の子供が生まれ、もっと稼がないといけない、長く働きたい、安定したいという気持ちが強くなりました。そんな時期に整形外科クリニックの新規開院、立ち上げの話があり、転職を考えました。
理学療法士が整形外科クリニックに転職できる適齢っていつでしょうか。
整形外科クリニックを開業する医師は40代が多いので、開業した医師が近い年齢であれば、閉院するまで働ける保証が増えます。
整形外科クリニックで働く40代の理学療法士は、医師が整形外科クリニックをいつまで経営するのか、を知っておいた方がいいです。整形外科クリニックの多くは、医師が経営者です。経営者と年齢が離れている場合、クリニックの未来を考える必要があります。
例えば、開業医が55歳で自分が40歳とした場合、15年後に医師が70歳になった時に閉院してしまった場合、55歳で職を失うことになります。55歳での転職・・・できなくはないですが、難しそうです。
開業医と年齢が離れていたとしても、子供が医師、医局とのつながりがある、2診体制を取っている、事業継承の意思がある、といった場合、事業継承していく可能性が高くなります。
子供が医師ではない、医局とのつながりもない、1診体制の場合でも、開業医が法人を売却する考えがあれば、事業継承の可能性が高くなります。
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今回、転職活動の結果、西東京かとう整形外科で会社員として働くという決断に至りましたが、経営者とは、いつまで経営するのか、将来はどうするのか、健康不安はないかなど、色々と踏み込んで話をさせて頂きました。
30代なら気にしなかったことが、家族が増え、40歳を超えたことで、いろいろ考えるようになりました。
フリーランスの理学療法士から会社員になって
フリーランスの理学療法士、開業PTを経験してみて良かったこともあります。
個人事業主になり青色申告をするようになり、帳簿をつけて所得・経費のことを考えるようになり、お金の知識が身につきました。
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会社員の時は給与明細をしっかり確認することはなかったと思います。給与明細は必ず毎月、確認した方がいいですよ。人が作業していることなので、ヒューマンエラーが起こることがあります。
また、フリーランスになって週6で働くのが当たり前だったので、仕事の体力はつきましたね。
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フリーランスの理学療法士から会社員になった理由、何でしょうか、一つではないですね。
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家族が増え安定を求めた、フリーランスで働く必要性がなくなった、クリニックがあと20年は続くのがわかった、会社員になっても自由に働ける、でしょうか。
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会社員になってみて、収入の安定もありますが、何より、気持ちの安定が大きいです。傷病手当、遺族年金、有給休暇・・・ありがたいですね。有給休暇があればいつか、海外のコースに参加できそうです(円安の間は無理だけど)。過去に諦めた大学院進学もできそうです・・・が、自分は研究に向いてないのもわかっています。。
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最近は、家族との時間が増えました。
これは、会社員になったというよりは、脊椎徒手療法研究所の仕事をセーブしたことが一番の理由です。以前は定期的なコース開催のために準備に膨大な時間を費やしていましたが、コースを終了し、パソコンを自宅に持ち帰らないようになり、家族との過ごし方も余裕が持てるようになりました。
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とはいうものの、経営規模の小さい会社で働いている以上、不測の事態には備えておく必要があります。。
最後に、
複数のクリニックで働きたい、脊椎徒手療法研究所の活動をしたい、自由に働きたい、という理由から、個人事業主になりフリーランスの理学療法士という働き方を選択しました。
色々なことを経験してみて、セラピストとして、人として成長できたのは確かです。
これから、個人事業主のフリーランスの理学療法士を目指す方にアドバイスを送るとしたら、
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整形外科クリニックで非常勤ないし常勤で勤務した後に、実力を示してフリーの契約を交渉するというのが契約しやすいのかなと思います。理学療法士は時間を売る仕事ですが、自分に付加価値をつけて、ギャラは定期的に上がるように契約書に盛り込んでください。フリーランスの理解(知識)がある医師に出会ったら、”交渉 negotiation"も大切ですので、頑張ってください。
ちなみに、個人事業主は廃業にするわけではなく、自費でのインソール、ブログでの情報発信はマイペースに今後も継続していきます。
まだまだ、臨床セラピストとして頑張ります!
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