主観的評価

理学療法士の主観的評価(問診): 自己紹介&開放型質問

主観的評価(S/E Subjective examination)は、情報収集および治療同盟の構築にとても重要です。 

主観的評価(問診)にて、情報を収集したら、疾患・病態を想起(仮説を形成)し、客観的評価(身体評価)で何をするか内容・順番を決定します。

第1回目は「自己紹介」です。主観的評価の開始は自己紹介からです。

自己紹介&Open ended question

主観的評価の最初は自己紹介です。

セラピスト
こんにちは、初めまして。今日、リハビリを担当する理学療法士の中村です。どうぞお座りください。

「リハビリの〇〇です」と自己紹介している場合がありますが、これは正しくなく、患者からしたら「あなたは何者?」となります。

理学療法士については以前より知名度は上がってきましたが、まだまだ知らない人がいます。

初めて人と会う時は少なからず緊張します。自分の有している資格を名乗り、患者に安心を与えましょう。言葉・表情・態度を用いて、自己紹介で好印象を与えることも重要ですね。

セラピスト
◯◯ということですが、今日はどうされましたか? ◯◯ということですが、詳しくお話をお聞かせください。

主観的評価の最初はOpen ended question(開放型質問)で開始し、患者の主訴を評価します。

メモ

整形外科クリニックに訪れる患者の受診理由は、患者の主訴であることが多いです。健診異常などで自分では問題ないが受診したという場合は、主訴というよりも受診理由となります。

Open ended question は患者が経験を自由に話せる方法で患者の主訴・考えていることを把握しやすいですが、時間がかかるという欠点もあります。

英語の評価の教科書では、「Can you tell me your story?」 と書かれたりします、日本語なら「お話を伺えますか?」「今日はどうされましたか?」でしょうか。

病院・クリニックで医師と働くセラピストなら、

「◯◯ということですが、今日はどうされましたか?」

「 ◯◯ということですが、詳しくお話をお聞かせください」

「〇〇ということですが、お困りなことは何でしょうか?」

「カルテを確認したのですが、より詳しくお話しを伺いたいのですがよろしいでしょうか?」

などと始めるのが望ましいでしょう。

メモ

「〇〇ということですが、お困りなことは何でしょうか?」と聞くと、「お金がない」と冗談を言う高齢男性の患者さんがたまにいます。冗談を言える人は社交的な方が多く、また、症状も重症でない、ことが多いですね。

医師の診察が先にあり、診療録が完成されて、医師からの指示によるリハビリという流れがある日本の病院・クリニックでは、情報共有されていることが前提にあります。

開放型質問を意識して「今日はどうされましたか?」と聞くと、「カルテ見ていないの?」とクレームを言う患者がたまにいらっしゃいます。新人の頃はドキッとするのですが、今はもう慣れているので「カルテは一通り確認させて頂いたのですが、より詳しい情報をお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」と返すようにしています。

”◯◯ということですが” ”詳しい情報を” ”詳しく” といったワードを最初に入れると予防が可能です。

初学者で多いのが「腰が痛いということですが、どこが痛いですか?」と最初に聞くことがあります。痛みと場所について聞いているので、Open な質問ではなく、Closed になっています。

Closed は1単位で時間の制約がある場合は有効な質問方法ですが、患者が痛みだけの話をする傾向にありセラピストも痛み以外の情報を収集しないことがあるので注意が必要です。

参考文献・書籍

野口2020:初期研修医のための外来研修マニュアル, 中外医学社

森川2018:総合内科 ただいま診断中, 中外医学社

江戸 主観的評価〜たかが問診、されど問診〜, 三木2018 非特異的腰痛のリハビリテーション, 羊土社より

Truth SJ2017:Fundamentals of the Physical Therapy Examination: Patient Interview and Tests & Measures: Patient Interview and Tests & Measures 2nd Edition

野田2012:痛みの問診のポイント_OPQRST, BRAIN and NERVE 64(11)

求人情報:西東京かとう整形外科

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